身近な人工知能
最近のスマートフォンは、持ち主がボタンを押して操作を行わなくとも、音声によって操作を行うことができるものがあります。
スマートフォンに向かって「近所のコンビニに行きたい」と言えば、音声を聞き取ったスマートフォンが、近所のコンビニを探し、さらには地図を表示してくれたりもします。
また、インターネットのショッピングサイトなどでは、これまで購入した品物の傾向から分析して、興味や関心がありそうな品物を「あなたへのオススメ」として表示してくれることもあります。
まるで人間のアシスタントやコンシェルジュがいるかのようなサービスですが、実はこれらはすべて「人工知能」によって生み出されたサービスです。
スマートフォンや、サイトに組み込まれたシステムが、自分がすべき仕事を自動的に判断し、自ら実行しているのです。
人工知能、というとSF映画や漫画などに登場するロボットのようなものをイメージする人も多いかもしれませんが、スマートフォンやインターネットサイトなどに代表されるように、実はもうすでに私たちの生活の中にも入り込みつつある技術なのです。
さまざまな人工知能
人工知能とは、コンピュータに人間のような知的活動をさせるという技術、とも言うことができますが、スマートフォンやインターネットサイトのようなアシスタントやコンシェルジュのような働きをするもの以外にも、さまざまな働きをするものがあります。
たとえば、音声や文章を認識して、そこから自動的に翻訳を行う機械翻訳のシステムや、特定の分野内の事柄に限り、推論や判断を下してゆくエキスパートシステムなどがあります。
本来、翻訳といえば、人間の通訳が活躍する場面ですが、機械翻訳を使えば、通訳を必要とせずに他の言語の意味を理解することができます。
また、エキスパートシステムというと、ちょっとイメージがしづらいという人も多いかもしれませんが、出発地と到着地、また出発時間や到着時間などの条件を与えれば、自動的に最短ルートを導き出してくれる列車の乗換案内や、車のナビゲーションシステムなどは、人工知能のエキスパートシステムを利用した代表的な事例といえるでしょう。